Alibaba Cloud Oracle 移行ツールADAM(データベース移行仕組み紹介)

作成日:2020/03/19この記事は最終更新日から2年以上が経過しています。

Alibaba Cloud Oracle 移行ツールADAM(データベース移行仕組み紹介)

本記事では、Alibaba Cloud Oracle 移行ツールAdvanced Database & Application Migration(ADAM、データベース診断)で仕組みおよびをご紹介をします。

はじめに

Advanced Database & Application Migration(ADAM) というのはアリババクラウドが開発したオンプレミスからデータベースとアプリケーションをクラウドへのマイグレーションサービスです。

長年のOracleデータベースとアプリケーションのストラクチャー解析、システム改造、移行経験を参考して開発したクラウド化ソリューションで、エンタープライズ向けのデータ・アプリケーション遷移・運用サービスを提供しています。

ADAM機能紹介

まだ中国国内向けにしか提供されていませんが、ADAMには大きく4つの機能が構成されています:

  • 1、データベース移行診断
  • 2、アプリケーション移行診断
  • 3、データベース移行
  • 4、アプリケーション移行

今回はアプリケーション移行診断・データベース移行・アプリケーション移行を含め、データベース移行がどうやって実行されたかその仕組みを見てみます。

準備作業

ADAMでデータベース移行を実行するにはADAMコンソール以外、ADAM Studioというツールが必要となります。

ADAM Studioインストール

ADAM Studioはコンソールからダウンロードできます。

まずADAM Studioをインストールサーバのシステム要件を確認します:

  • OS: CentOS6.5以降
  • ECSスペック: 8C16G以上、Oracleの規模によってさらに高いスペックを調整してもいい
  • 帯域幅: 可能な限り、最大限の帯域幅を確保、VPC内の構築がおすすめ
  • ネットワーク要件: Studio Tool と Worker をインストールするクライアントからは移行元のOracle サーバとターゲットのクラウドデータベースに接続可能、ホワイトリスト設定完了、また、特定のポートをオーブン。
  • オープン必要ポート一覧:1521,3306,7001,70028001,8021,8031
  • ディスク: 30G 以上、ツールインストール及びログ保存用

サーバ確保しましたら、いくつか環境設定をします:

・Hosts設定:

# vi /etc/hosts
IP アドレス ホスト名

・ユーザ追加:

# groupadd adam
# useradd –g adam adam
# passwd adam

・MySQLインストール(MariaDBで代用) studio というデータベース作成

SQL> create database if not exists studio default charset utf8 collate utf8_general_ci;

DBユーザ作成

SQL> grant all privileges on studio.* to 'adam'@'%' identified by 'XXXXX';

Studioツールにあるスクリプトを実行

$ mysql -h xxx.xxx.xxx.xxx -P 3306 -u adam -pパスワード studio SQL> source /tmp/studio.sql

また、MySQLのパラメータには下記設定が推奨されています:

max_allowed_packet=512M
max_binlog_cache_size=1G

Studio設定ファイル編集

# su - adam
$ tar -zxvf adam-obfuscation.tar.gz
$ vi adam-obfuscation/config/adam.properties

下記内容を編集、追加

jdbc.url=jdbc:mysql://IPアドレス:3306/studio
# MySQL ユーザ名
jdbc.username=adam
# MySQL ユーザパスワード
jdbc.password=XXXXX
# ライセンス
# ライセンスはADAMのコンソールより取得
license.uid=XX
license.license=XXXXXXXXXXXXX

ADAM Studio 起動:

$ cd adam-obfuscation/bin
$ ./install.sh start 実行サーバのIP

サービスが起動されていることを確認:

$ ps aux|grep java
adam-studio,adam-sms,adam-dms,adam-dvs,datax というプロセスが起動されている

後はADAM Studioにログイン確認できれば、インストール完了です。

ADAM Studioログイン:

URL:http://IPアドレス:7001/login

ユーザ名:adam/adampassword

img

マイグレーション実行

インストール完了しましたので、ADAM Studioにログインしてみます。

ログインすると、操作画面が出て、マイグレーションプロジェクトを作成可能です。

まだ英語版のメニューがないですが、簡単にこういう構成になります: img

Profileメニューには移行用のデータベースの情報を記録しています。

移行元データベース(Oracle)と移行先データベース(例:POLARDB)のProfileをそれぞれ作成します。

必要情報:Profile名、サーバIP、SID、ポート、ユーザ名、パスワード img

img

マイグレーションプロジェクトを作成します: img

マイグレーションプロジェクト作成の必要条件として、Migration planファイルが必要、ADAMコンソールからダウンロードできます。

プロジェクト→管理→プロジェクト管理項目から「Migration planを作成」をクリックすれば、マイグレーションプランメニューが出てきます、そこからダウンロードをすれば、Jsonファイルがローカルディスクにダウンロードされます。 img

migrateplan-[プロジェクト番号]-[回数].jsonのようなファイル名になります。

このマイグレーションプランを使ってADAM studio にマイグレーションプロジェクトを作成します。

作成が完了後、

プレビュー、ダッシュボード、プラン詳細三つのメニューがあります。 img

ダッシュボードからオブジェクトとデータの遷移を行うことができます。

四つのグラフがあり、それぞれ、プランチェック完成率、オブジェクト遷移完成率、全量データ遷移完成率、データ校正完成率を示します。 img

プランチェック

プランチェック完成率のグラフは移行元データベースとマイグレーションプランを見比べ、変更チェック結果を表すグラフです。

今回マイグレーションで新規オブジェクト(NEW)、変更するオブジェクト(CHANGED)、削除するオブジェクト(DELETED)などを示します。 img

オブジェクト遷移

「オブジェクト移行」グラフの矢印をクリックすれば、移行詳細画面に移します。

ここで、オブジェクトの定義DDLを修正したり、移行対象のオブジェクトを選ぶことができます。 img

「オブジェクト」タブから移行対象オブジェクの選択

img

オブジェクトの定義DDLの修正ができます。 img

img

移行対象の選択が終わりましたら、「サービス」タブに戻り、「スタート」ボタンを押せば、オブジェクトの移行を起動します

img

進捗バーが100%になったら、完了です。 img

もし失敗した場合は右側の詳細リンクから、失敗原因を確認できます。 そこで失敗対象を変更し、ロールバックするか、移行から除外するか、のアクションを取ることができます。 img

全量データ遷移

オブジェクト移行完了できたオブジェクトのテーブルデータを移行先のデータベースに遷移操作です。

ダッシュボードの「全量データ遷移完成率」グラフの矢印をクリックし、実行画面に移動します。

メニューは三つあり、サービス、レポート、ノードになります。 img

・サービス:マイグレーションサービスの管理、新規作成、起動、停止、削除

・レポート:マイグレーション結果報告

・ノード:利用できるWorkerノードの情報展示

データ移行開始するにはまず「サービス」タブより「新規作成」をクリック、「基本情報」に必要な情報を記入、「移行対象選択」からデータ移行したいテーブルなどを選択します。 img

移行対象選択し、追加する: img

「作成」をクリックすると、「対象テーブルのデータがクリアされます、進みますか」という旨のワーニングメッセージが出る、問題なければ、確認ボタンをクリックして、データ遷移始めます。 img

移行サービス実行中、または実行完了後、「報告」をクリックすると、詳細が確認できます。 img

img

移行後データチェック

オブジェクトとデータが遷移完了後、正確に移行できたかをチェックするステップです。

データチェックタスクを作成し、いくつかのパラメータを設定する必要があります。

・サンプリング比率:

チェック対象データの範囲、0.1〜1、0.1は10%、1は100%を表します。

・中断閾値:

一つのテーブルにデータチェック失敗件数が指定した数値を超えた場合、チェックを中止

・チェックモード:

データの精度をチェックするかどうか、例えば、小数点の扱い、8 と 8.00 は同じ扱いかどうか。

img

データチェックタスクが完了すると、結果報告も確認できます。

性能、データチェック結果、エラーなどを含まれます。 img

チェックしたデータのまとめ: img

差分の詳細: img

最後に

以上で、ADAM Studio を使ってデータバースを移行する際の具体的なステップです。
ADAM はアプリケーションの移行診断などもできますので、参考に頂ければ幸いです。

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