VPN Gatewayを用いたCisco ASAとのIPsec-VPN接続手順を紹介します。

作成日:2021/06/13この記事は最終更新日から1年以上が経過しています。

本設定例では、VPCに作成したVPN Gatewayを、お客様拠点に設置したCisco ASAとIPsec-VPNで接続します。

事前準備

ネットワークやIPアドレス等を事前に設計し、VPN Gatewayを購入します。

本設定例では、クラウド側のVPC (セグメント 192.168.0.0/24) と拠点側のCisco ASAを (セグメント 192.168.100.0/24) Route-Based接続します。

本設定例について

Alibaba CloudのVPCとの接続を保証するものではありません。

2019年 5 月の仕様に基づいて記載しています。確認しているファームウェアは下記のとおりです。今後、サービス内容の変更や、仕様変更などによって接続できなくなる可能性があります。

本設定例でテスト済みのCisco ASAは以下になります。

モデルバージョン
Cisco ASA 5506WVersion 9.10(1)

Cisco ASAに関する情報および設定方法については、Ciscoテクニカルサポートまでお問い合わせください。

設定手順

ステップ 1:VPN Gateway の設定

  1. 対象VPCにVPN Gatewayとカスタマーゲートウェイを作成します。カスタマーゲートウェイの設定ではお客様拠点 ルーターのグローバルIPアドレスを使って設定します。

  2. IPsec ConnectionsよりVPN接続を作成します。

  • 以下の項目を入力します

    「名前」任意の識別名を入力します。 「VPN Gateway」作成したVPN Gateway名を選択します。 「カスタマーゲートウェイ」 作成したカスタマーゲートウェイを選択します。 「ローカルネットワーク」クラウド側ネットワーク (0.0.0.0/0) を入力します。 「リモートネットワーク」お客様拠点側ネットワーク ( 0.0.0.0/0 ) を入力します。 「今すぐ有効化」“はい”を選択します。 「高度な構成」有効にします。 「事前共有鍵」お客様拠点側ルーターと同一の任意の共有鍵を入力します。 「バージョン」ikev2を選択します。

  • 以下の設定はヘルスチェックです。(任意) 有効にするとVPN GatewayがIPsecトンネルの通信断を検出できるようになり、チェックが失敗した場合にはIPsecの再接続をします。

    「ヘルスチェック」 有効にします。 「宛先IP」お客様拠点側サブネット内の疎通可能な任意のIPアドレスを入力します。 「送信元IP」クラウド側サブネットの内で任意のIPアドレスを入力します。 「再試行間隔」任意の間隔を指定します。 「再試行回数」任意の回数を指定します。 「OK」ボタンを押します。

    注意: そのほか項目についても運用方針に沿って指定いただけます。

  1. ルートの追加をします。
  • 上記完了後、下記のポップアップが表示されるので、OKボタンを押します。 img

  • 下記、VPN-GWのルートテーブル画面へ遷移しますので、宛先ベースルーティングのタブを選択し、ルートエントリの追加を行います。 img

  • ルートエントリの追加は下記の様に行います。

    「宛先CIDRブロック」お客様拠点側セグメントを設定します。

    「VPCに公開」“はい”を選択します。 img

    「OK」ボタンを押します。

  • VPN-GW**のルートテーブルにてルートエントリの追加が行われ、ステータスが公開済みとなっていることを確認します。 img

  1. IPsec Connectionsの画面より、VPN 接続が追加されることを確認します。 img

ステップ 2:Cisco ASAの設定

Cisco ASAにアクセスし以下の項目を設定します。

  • IPsec接続設定
>1.ISAKMP(IKEv2)ポリシー設定”
>2. crypto ikev2 policy **<prioriry>**
>3. encryption aes
>4. integrity sha
>5. prf sha
>6. group 2
>7. lifetime 86400
>8.
>9. “IKEv2有効化”
>10. crypto ikev2 enable **<outside_interface_name>**
>11.
>12. “IKEv2プロポーザル設定”
>13. crypto ipsec ikev2 ipsec-proposal **<ikev2** **プロファイル名****>**
>14. protocol esp encryption aes
>15. protocol esp integrity sha-1
>16.
>17. “IKEv2プロファイル設定”
>18. crypto ipsec profile **<ikev2****プロファイル名****>**
>19. set ikev2 ipsec-proposal **<ikev2****プロファイル名****>**
>20. set security-association lifetime seconds 86400
>21.
>22. “Virtual Tunnel IF設定”
>23. interface Tunnel**<Number>**
>24. nameif **<VTI********>**
>25. ip address **<****任意のリンクローカルアドレス(例:169.254.0.1)****>**
>26. tunnel source interface outside
>27. tunnel destination **<VPN-Gateway****のグローバルIPアドレス****>**
>28. tunnel mode ipsec ipv4
>29. tunnel protection ipsec profile **<ikev2****プロファイル名****>**
>30.
>31. “トンネルグループポリシー設定”
>32. group-policy **<GROUP-Policy********>** internal
>33. group-policy **<GROUP-Policy********>** attributes
>34. vpn-tunnel-protocol ikev2
>35.
>36. “トンネルグループ設定”
>37. tunnel-group **<VPN-Gateway****のグローバルIPアドレス****>** type ipsec-l2l
>38. tunnel-group **<VPN-Gateway****のグローバルIPアドレス****>** general-attributes
>39. default-group-policy **<GROUP-Policy********>**
>40. tunnel-group **<VPN-Gateway****のグローバルIPアドレス****>** ipsec-attributes
>41. ikev2 remote-authentication pre-shared-key **<**A**libaba Cloud VPN Gateway****と同一の任意の共有鍵****>**
>42. ikev2 local-authentication pre-shared-key **<**A**libaba Cloud VPN Gateway****と同一の任意の共有鍵****>**
>43.
>44. “経路設定”
>45. Route **<VTI********>** 192.168.0.0 255.255.255.0 **<****任意のリンクローカルアドレス(例:169.254.0.2)****>** 1

注意: ルーティング、ポリシー等の項目についても運用方針に沿ってCisco ASA側を設定する必要があります。ステップ1でVPN Gatewayのヘルスチェックを利用する場合は送信元IPからのICMPパケットをCisco ASA側で許可する必要があります。

ステップ 3:ステータス確認

Cisco ASA側設定を完了し、接続が成功すれば、接続ステータスが次の通り、「成功」に変わります。 img

ステップ4:接続のテスト

VPC内のECSインスタンスにログインし、拠点内のプライベートIPアドレスにpingを送信して、VPCと拠点側の通信が成功することを確認します。

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