VPN Gatewayを用いたYamahaルーターとのIPsec-VPN接続手順を紹介します。
本設定例では、VPC に設置したVPN Gatewayを、お客様拠点に設置したYamahaルーターとIPsec-VPNで接続します。
事前準備
ネットワークや IP アドレス等を事前に設計し、VPN Gatewayを購入します。
本設定例では、クラウド側のVPC (セグメント 192.168.0.0/24) とYamahaルーター側 (セグメント 192.168.100.0/24) をRoute-basedで接続します。
本設定例について
Alibaba CloudのVPCとの接続を保証するものではありません。
2019年 5 月の仕様に基づいて記載しています。確認しているファームウェアは下記のとおりです。今後、サービス内容の変更や、仕様変更などによって接続できなくなる可能性があります。
本設定例でテスト済みの Yamahaルーターは以下になります。
モデル | バージョン |
---|---|
RTX830 | Rev.15.02.09 |
RTX1210 | Rev.14.01.33 |
Yamahaルーターに関する情報および設定方法については、Yamahaルーターお客様相談センターまでお問い合わせください。
設定手順
ステップ 1:VPN Gateway の設定
対象VPCにVPN Gatewayとカスタマーゲートウェイを作成します。カスタマーゲートウェイの設定ではお客様拠点 ルーターのグローバルIPアドレスを使って設定します。
IPsec ConnectionsよりVPN接続を作成します。
以下の項目を入力します
「名前」任意の識別名を入力します。 「VPN Gateway」作成したVPN Gateway名を選択します。 「カスタマーゲートウェイ」 作成したカスタマーゲートウェイを選択します。 「ローカルネットワーク」クラウド側ネットワーク (0.0.0.0/0) を入力します。 「リモートネットワーク」お客様拠点側ネットワーク ( 0.0.0.0/0 ) を入力します。 「今すぐ有効化」“はい”を選択します。 「高度な構成」有効にします。 「事前共有鍵」お客様拠点側ルーターと同一の任意の共有鍵を入力します。 「バージョン」ikev2を選択します。
以下の設定はヘルスチェックです。(任意) 有効にするとVPN GatewayがIPsecトンネルの通信断を検出できるようになり、チェックが失敗した場合にはIPsecの再接続をします。
「ヘルスチェック」 有効にします。 「宛先IP」お客様拠点側サブネット内の疎通可能な任意のIPアドレスを入力します。 「送信元IP」クラウド側サブネットの内で任意のIPアドレスを入力します。 「再試行間隔」任意の間隔を指定します。 「再試行回数」任意の回数を指定します。 「OK」ボタンを押します。
注意: そのほか項目についても運用方針に沿って指定いただけます。
- ルートの追加をします。
上記完了後、下記のポップアップが表示されるので、OKボタンを押します。
下記、VPN-GWのルートテーブル画面へ遷移しますので、宛先ベースルーティングのタブを選択し、ルートエントリの追加を行います。
ルートエントリの追加は下記の様に行います。
「宛先CIDRブロック」お客様拠点側セグメントを設定します。
「VPCに公開」“はい”を選択します。
「OK」ボタンを押します。
VPN-GW**のルートテーブルにてルートエントリの追加が行われ、ステータスが公開済みとなっていることを確認します。
- IPsec Connectionsの画面より、VPN 接続が追加されることを確認します。
ステップ 2:Yamahaルーターの設定
Yamahaルーターにアクセスし以下の項目を設定します。
- IPsec接続設定
>1. tunnel select 1>2. description tunnel "Alibaba Cloud">3. ipsec tunnel 1>4. ipsec sa policy 1 1 esp aes-cbc sha-hmac>5. ipsec ike version 1 2>6. ipsec ike duration child-sa 1 86400>7. ipsec ike duration ike-sa 1 86400>8. ipsec ike keepalive log 1 off>9. ipsec ike keepalive use 1 on dpd>10. ipsec ike local address 1 (お客様拠点ルーターのグローバルIPアドレス)>11. ipsec ike log 1 key-info payload-info>12. ipsec ike local name 1 (お客様拠点ルーターのグローバルIPアドレス) ipv4-addr>13. ipsec ike nat-traversal 1 on>14. ipsec ike message-id-control 1 on>15. ipsec ike child-exchange type 1 2>16. ipsec ike pre-shared-key 1 text (任意の共有鍵)>17. ipsec ike remote address 1 (VPN GatewayグローバルIPアドレス)>18. ipsec ike remote name 1 (VPN GatewayグローバルIPアドレス) ipv4-addr>19. ipsec ike negotiation receive 1 off>20. ip tunnel tcp mss limit auto>21. tunnel enable 1
- NATマスカレード設定
>1. nat descriptor type 200 masquerade
- IPsec用静的マスカレード設定
>1. nat descriptor masquerade static 200 1 192.168.100.1 udp 4500>2. nat descriptor masquerade static 200 2 192.168.100.1 udp 500>3. nat descriptor masquerade static 200 3 192.168.100.1 esp
- IPsec接続始動(鍵交換)設定
>1. ipsec auto refresh on
- 経路設定
>1. ip route 192.168.0.0/24 gateway tunnel 1
注意: ルーティング、ポリシー等の項目についても運用方針に沿ってYamahaルーター側を設定する必要があります。ステップ1でVPN Gatewayのヘルスチェックを利用する場合は送信元IPからのICMPパケットをYamaha ルーター側で許可する必要があります。
ステップ 3:ステータス確認
Yamahaルーターの設定が完了し、接続が成功すれば、接続ステータスが「成功」、ヘルスチェックステータスが「正常」に変わります。
ステップ4:接続のテスト
VPC内のECSインスタンスにログインし、拠点内のプライベートIPアドレスにpingを送信して、VPCと拠点側の通信が成功することを確認します。