Alibaba Cloud POLARDBとRDSの簡単な性能比較(Sysbench編)
Alibaba Cloud POLARDBとRDSの簡単な性能比較(Sysbench編、2020年1月版)
はじめに
本記事では、Alibaba Cloud が提供している POLARDBに対し、Sysbench を使って POLARDB for MySQL の OLTP 処理性能を測ると同時に、Alibaba Cloud の RDS (MySQL) と簡単な比較試験をしました、その試験のメモになります。
PolarDBとは
PolarDBはAlibaba Cloudが開発したCloud Native Databaseサービスです。MySQL・PostgreSQLは100%、Oracleは高い互換性を持ちながら、ユーザーのワークロードに応じて垂直・水平スケーリングすることが出来るため、コストを大幅に削減できることが特徴です。
簡単に Sysbench の紹介
sysbench はベンチマークツール、デフォルトでは CPU やメモリ以外 OLTP というベンチマークも付いています。
リレーショナルデータベース、特に MySQL のトランザクション性能測定ではよく使われています。
Github でダウンロードすることができます。
今回は性能比較が目的なので、インストールなどの手順は省略します。
試験シナリオ
使用するシナリオは下記の二つ:
oltp_read_write:読み取り/書き込みの OLTP 処理
oltp_read_only:読み取りのみの OLTP 処理
使用したパラメータ:
パラメータ 説明 値 table-size 1つのテーブルに挿入するレコード数 25000 tables テーブルの数 250 time 実行時間(秒) 600 threads 平行実行するスレッド数 10
試験対象:
対象 スペック DBバージョン RDS 2C8G MySQL8.0 POLARDB 2C8G MySQL8.0
試験結果
まずは軽く負荷をかけて、スレッド数10 で実行します。
パラメータ 説明 値 table-size 1つのテーブルに挿入するレコード数 25000 tables テーブルの数 250 time 実行時間(秒) 600 threads 平行実行するスレッド数 10
上記のパラメータで得た結果:
oltp-read-write
oltp-read-only
計算してみます:
項目 RDS-QPS POLARDB-QPS 比較結果 Read write 2802180 3050880 約1.1倍 Read only 3425888 3425888 約1.01倍
emmm...そんなに POLARDB が優れないと思いますが、本当に高性能を持っているか?
POLARDB のドキュメントをよく調べてみましたが、パラレル処理が特徴のようです。 つまり同時処理コネクション数を大きくなったら何か変わるかな?
下記のようにsysbench のパラメータでスレッド数を変更してみましょう:
パラメータ 説明 値 table-size 1つのテーブルに挿入されるデータのレコード数 25000 tables テーブルの数 250 time 実行時間(秒) 600 threads 平行実行するスレッド数 500
スレッド数を大幅に上げ、500に変更した結果:
oltp-read-only
oltp-read-write
結果を確認してみます:
項目 RDS-QPS POLARDB-QPS 比較結果 Read write 5573400 8660600 約1.6倍 Read only 7183312 7183312 約1.9倍
1回目の試験と比べ随分結果が変わっていました。 Read-write は約 RDS の1.6倍になり、Read-only は1.9倍にもなりました。 確かに同じスペックの RDS と比べて、POLARDB が良いパフォーマンスが出そうです、素晴らしい
また、Alibaba Cloud が公式的に公開した数値からだと、Read-only の性能が最大通常 MySQL サーバの6倍にもありました、それはすごい数値ですね
最後に
Alibaba Cloud POLARDBとRDSの簡単な性能比較をしました、Alibaba Cloud POLARDBが次世代リレーショナルデータベースとして期待できると思います。