VBRの閉域接続をCloud Monitorで監視・通知する
VBRの閉域接続をCloud Monitorで監視・通知する
構成概要
今回は東京リージョンのVPCからCENを使ってVBR (Virtual Boader Router:仮想ボーダールーター)と接続させます。VBRより先はNetwork Service Providerが提供する閉域接続サービスを使って閉域網に接続します。
例ではソフトバンクが提供している「ダイレクトアクセス for Alibaba Cloud」を使って閉域網サービスである「SmartVPN」に接続し、拠点オフィスまでの通信を実現しています。
VBRから閉域網まではMain/Backupの冗長構成です。ヘルスチェックパケットはCENか らVBRを通ってPEルータまで送信し、Cloud Monitorを使ってVBRの監視とアラート通知をさせます。Cloud Monitorは無料で利用することができます。
Cloud Monitorで監視できるVBRの状態は以下の項目です。
・Healthy Check Latency(ヘルスチェックパケットのレイテンシー)
・Healthy Check Loss Rate(ヘルスチェックパケットのロス)
・Internet In Rate(流入帯域幅)
・Internet Out Rate(流出帯域幅)
今回はヘルスチェックの状態を監視したいのでまずはCENヘルスチェックの設定を行い、その次にCloud Monitorで状態を監視します。
CENヘルスチェックの設定
CEN > ヘルスチェック > Japan (Tokyo) を選択 > ヘルスチェックの追加
①インスタンス:VBRが繋がっているCENインスタンスを選択
②仮想ボーダールータ(VBR):監視したいVBRインスタンスを選択
③ソースIP:自動アサイン推奨(手動の場合はCENにアタッチしているVPC内で使われていないIPを指定)
④ターゲットIP:PEルータのIPを指定(1系、2系でそれぞれ指定)
⑤プローブ間隔:ヘルスチェックパケットを送信する間隔(デフォルトは2秒)
⑥プローブパケット:1度に送信するヘルスチェックパケットの数(デフォルトは8個)
OKをクリックしてヘルスチェックを追加します。 ※Main/Backup構成の場合はヘルスチェックの設定がそれぞれで必要です。
Cloud Monitorの設定
まずは通知用でアラーム送信先を設定します。
CloudMonitor > アラームサービス > アラーム送信先の設定
①任意の名前を入力
②アラートを受信したいメールアドレスを入力
③認証コードの送信をクリック
④上記メールアドレスに届いた認証コードを入力し、保存をクリック
※Ding ロボットを使うとAlibabaが無料で公開しているチャットツール、 DingTalkにアラートを送信できます。(任意)
CloudMonitor > アラームサービス > 送信先グループを作成
①任意のグループ名を入力
②送信先の選択で受信したい連絡先を左のリストから右に移し、確定
次に監視項目を設定します。
CloudMonitor > Dashboard > イベントモニタリング > アラームルール > システムイベント > イベントアラーム作成
①プロダクト:CEN-Routerを指定
②リソース:インスタントリストを指定
③インスタントリスト:対象のCENインスタンスを指定
④VBRインスタンスリスト:ヘルスチェックを設定したVBRインスタンスを指定(今回はMain/Backupの2つにチェック)
⑤アラームルール名:任意の名前
⑥ルールの説明:今回は仕切り率(ヘルスチェックパケットのロス)を使用、1分サイクルでヘルスチェックの状態を確認、連続3回、ロス値が100%であればヘルスチェックを失敗と見なし通知を行うよう設定
⑦サイレントチャネルの時刻:状態が復旧しない場合にアラートを再通知させる頻度(デフォルトは24時間)
⑧有効期間:アラート通知させる時間帯(デフォルトは0:00-23:59)
⑨アラームタイプ:送信先グループを選択
OKをクリックしてアラームルールを追加します。 これでCloud MonitorによるVBRの閉域接続の監視・通知設定は完了です。
通知メールの確認
参考までにヘルスチェックが切れた際の通知メールの例を載せます。
①イベント名+CENインスタンスID+VBRインスタンスID
②VBRの監視ルールのリンク
おわりに
Cloud Monitorを使えば簡単にVBR閉域接続の監視、メール通知が可能です。
無料で使えるので試してみてはいかがでしょうか。