VPN Gatewayを用いたCENTURY SYSTEMSとのIPsec-VPN接続手順を紹介します。
本設定例では、VPCに作成したVPN Gatewayを、お客様拠点に設置したCENTURY SYSTEMSルーターとIPsec-VPNで接続します。
事前準備
ネットワークやIPアドレス等を事前に設計し、VPN Gatewayを購入します。
本設定例では、クラウド側のVPC (セグメント 192.168.0.0/24) とCENTURY SYSTEMSルーター側(セグメント 192.168.100.0/24) をRoute-basedで接続します。
本設定例について
Alibaba CloudのVPCとの接続を保証するものではありません。
2019年 8 月の仕様に基づいて記載しています。確認しているファームウェアは下記のとおりです。今後、サービス内容の変更や、仕様変更などによって接続できなくなる可能性があります。
本設定例でテスト済みのCENTURY SYSTEMSルーターは以下になります。
モデル | バージョン |
---|---|
FutureNet NXR-G100 | ver 6.20.0 |
FutureNet NXR-G240 | ver 9.9.3 |
CENTURY SYSTEMSルーターに関する情報および設定方法については、CENTURY SYSTEMSルーターFutureNetサポートデスクまでお問い合わせください。
設定手順
ステップ 1:VPN Gateway の設定
対象VPCにVPN Gatewayとカスタマーゲートウェイを作成します。カスタマーゲートウェイの設定ではお客様拠点 ルーターのグローバルIPアドレスを使って設定します。
IPsec ConnectionsよりVPN接続を作成します。
以下の項目を入力します
「名前」任意の識別名を入力します。 「VPN Gateway」作成したVPN Gateway名を選択します。 「カスタマーゲートウェイ」 作成したカスタマーゲートウェイを選択します。 「ローカルネットワーク」クラウド側ネットワーク (0.0.0.0/0) を入力します。 「リモートネットワーク」お客様拠点側ネットワーク ( 0.0.0.0/0 ) を入力します。 「今すぐ有効化」“はい”を選択します。 「高度な構成」有効にします。 「事前共有鍵」お客様拠点側ルーターと同一の任意の共有鍵を入力します。 「バージョン」ikev2を選択します。
以下の設定はヘルスチェックです。(任意) 有効にするとVPN GatewayがIPsecトンネルの通信断を検出できるようになり、チェックが失敗した場合にはIPsecの再接続をします。
「ヘルスチェック」 有効にします。 「宛先IP」お客様拠点側サブネット内の疎通可能な任意のIPアドレスを入力します。 「送信元IP」クラウド側サブネットの内で任意のIPアドレスを入力します。 「再試行間隔」任意の間隔を指定します。 「再試行回数」任意の回数を指定します。 「OK」ボタンを押します。
注意: そのほか項目についても運用方針に沿って指定いただけます。
- ルートの追加をします。
上記完了後、下記のポップアップが表示されるので、OKボタンを押します。
下記、VPN-GWのルートテーブル画面へ遷移しますので、宛先ベースルーティングのタブを選択し、ルートエントリの追加を行います。
ルートエントリの追加は下記の様に行います。
「宛先CIDRブロック」お客様拠点側セグメントを設定します。
「VPCに公開」“はい”を選択します。
「OK」ボタンを押します。
VPN-GW**のルートテーブルにてルートエントリの追加が行われ、ステータスが公開済みとなっていることを確認します。
- IPsec Connectionsの画面より、VPN 接続が追加されることを確認します。
ステップ 2:CENTURY SYSTEMS ルーターの設定
CENTURY SYSTEMS ルーターにアクセスし以下の項目を設定します。
- IPsec接続設定
>1. ipsec local policy <*ポリシーのIDの定義:1-65535*>>2. address ip>3. !>4. ipsec isakmp policy <*ポリシーのIDの定義:1-65535*>>5. version 2>6. authentication pre-share <*Alibaba Cloud VPN Gateway**と同一の任意の共有鍵*>>7. hash sha1>8. encryption aes128>9. group 2>10. lifetime 86400>11. isakmp-mode main>12. remote address ip <*Alibaba Cloud VPN Gateway**のグローバルIPアドレス*>>13. local policy <*local**ポリシーのID*>>14. !>15. ipsec tunnel policy <*ポリシーのIDの定義:1-65535*>>16. set transform esp-aes128 esp-sha1-hmac>17. set pfs group2>18. set key-exchange isakmp <*isakmp**ポリシーのID*>>19. set sa lifetime 86400>20. match address <*ACL*>
- Tunnelインターフェイスの設定
>1. interface Tunnel <*Number*>>2. tunnel mode ipsec ipv4>3. tunnel protection ipsec policy <*ipsec tunnel**ポリシーのID*>
- 経路設定
>1. ip route 192.168.0.0/24 tunnel <*Number*>
注意: ルーティング、ポリシー等の項目についても運用方針に沿ってCENTURY SYSTEMS側を設定する必要があります。ステップ1でVPN Gatewayのヘルスチェックを利用する場合は送信元IPからのICMPパケットをCENTURY SYSTEMS側で許可する必要があります。
ステップ 3:ステータス確認
CENTURY SYSTEMSルーターの設定が完了し、接続が成功すれば、接続ステータスが「成功」、ヘルスチェックステータスが「正常」に変わります。
ステップ4:接続のテスト
VPC内のECSインスタンスにログインし、拠点内のプライベートIPアドレスにpingを送信して、VPCと拠点側の通信が成功することを確認します。