VPN Gatewayを用いたIIJ SEIL X1とのIPsec-VPN接続手順を紹介します。
本設定例では、VPC に作成したVPN Gatewayを、お客様拠点に設置したIIJ SEIL X1とIPsec-VPNで接続します。
事前準備
ネットワークや IP アドレス等を事前に設計し、VPN Gatewayを購入します。
本設定例では、クラウド側の VPC (セグメント 192.168.0.0/24) とIIJ SEIL X1側 (セグメント 192.168.100.0/24) をRoute-basedで接続します。
本設定例について
Alibaba CloudのVPCとの接続を保証するものではありません。
2019年 5 月の仕様に基づいて記載しています。確認しているファームウェアは下記のとおりです。今後、サービス内容の変更や、仕様変更などによって接続できなくなる可能性があります。
本設定例でテスト済みのIIJ ルーターは以下になります。
モデル | バージョン |
---|---|
SEIL X1 | Version 5.97 |
IIJ ルーターに関する情報および設定方法については、販売代理店までお問い合わせください。
設定手順
ステップ 1:VPN Gateway の設定
対象VPCにVPN Gatewayとカスタマーゲートウェイを作成します。カスタマーゲートウェイの設定ではお客様拠点ルーターのグローバルIPアドレスを使って設定します。
IPsec ConnectionsよりVPN接続を作成します。
以下の項目を入力します
「名前」任意の識別名を入力します。 「VPN Gateway」作成したVPN Gateway名を選択します。 「カスタマーゲートウェイ」 作成したカスタマーゲートウェイを選択します。 「ローカルネットワーク」クラウド側ネットワーク (0.0.0.0/0) を入力します。 「リモートネットワーク」お客様拠点側ネットワーク ( 0.0.0.0/0 ) を入力します。 「今すぐ有効化」“はい”を選択します。 「高度な構成」有効にします。 「事前共有鍵」お客様拠点側ルーターと同一の任意の共有鍵を入力します。 「バージョン」ikev2を選択します。
以下の設定はヘルスチェックです。(任意) 有効にするとVPN GatewayがIPsecトンネルの通信断を検出できるようになり、チェックが失敗した場合にはIPsecの再接続をします。
「ヘルスチェック」 有効にします。 「宛先IP」お客様拠点側サブネット内の疎通可能な任意のIPアドレスを入力します。 「送信元IP」クラウド側サブネットの内で任意のIPアドレスを入力します。 「再試行間隔」任意の間隔を指定します。 「再試行回数」任意の回数を指定します。 「OK」ボタンを押します。
注意: そのほか項目についても運用方針に沿って指定いただけます。
- ルートの追加をします。
上記完了後、下記のポップアップが表示されるので、OKボタンを押します。
下記、VPN-GWのルートテーブル画面へ遷移しますので、宛先ベースルーティングのタブを選択し、ルートエントリの追加を行います。
ルートエントリの追加は下記の様に行います。
「宛先CIDRブロック」お客様拠点側セグメントを設定します。
「VPCに公開」“はい”を選択します。
「OK」ボタンを押します。
VPN-GW**のルートテーブルにてルートエントリの追加が行われ、ステータスが公開済みとなっていることを確認します。
- IPsec Connectionsの画面より、VPN 接続が追加されることを確認します。
ステップ 2: IIJルーターの設定
IIJルーターにアクセスし以下の項目を設定します。
- IPsec接続設定
>1. !>2. ike auto-initiation disable>3. ike preshared-key add "(VPN GatewayのグローバルIPアドレス)" "(Alibaba Cloud VPN Gatewayと同一の任意の共有鍵)">4. !>5. ike proposal add IKE-PROPOSAL encryption aes hash sha1 authentication preshared-key dh-group modp1024 lifetime-of-time 1d>6. !>7. ike peer add IKE-PEER address (VPN GatewayのグローバルIPアドレス) exchange-mode main proposals IKE-PROPOSAL initial-contact enable my-identifier address peers-identifier address tunnel-interface enable>8. !>9. ipsec security-association proposal add SAP pfs-group modp1024 authentication-algorithm hmac-sha1 encryption-algorithm aes lifetime-of-time 1d>10. ipsec security-association add SA tunnel-interface ipsec0 ike SAP esp enable
- Tunnelインターフェイスの設定
>1. interface ipsec0 tunnel (お客様拠点のグローバルIPアドレス) (VPN GatewayのグローバルIPアドレス)>2. interface ipsec0 unnumbered
- 経路設定
>1. route add (クラウド側ネットワーク) ipsec0
注意: ルーティング、ポリシー等の項目についても運用方針に沿ってIIJ ルーター側を設定する必要があります。ステップ1でVPN Gatewayのヘルスチェックを利用する場合は送信元IPからのICMPパケットをIIJ ルーター側で許可する必要があります。
ステップ 3:ステータス確認
IIJルーターの設定が完了し、接続が成功すれば、接続ステータスが「成功」、ヘルスチェックステータスが「正常」に変わります。
ステップ4:接続のテスト
VPC内のECSインスタンスにログインし、拠点内のプライベートIPアドレスにpingを送信して、VPCと拠点側の通信が成功することを確認します。